抜いてはイカン！

　
過日、吾輩の秘書ぺちこが、

膝頭を交互にすり合わせながら、

「やばい、やばい」

と、ひとりごちてた。

なにをそんなに焦っておるのかと尋ねたらば、

客室への備品を補充するための篭を

何処へか置き忘れてきたようだ、

と言うではないか。

秘書としては、あるまじき行為。

が、昨日今日始まったことではない。

吾輩もすっかり慣れた。

これくらいのことでは驚かぬ。

己の行動を振り返り、

訪れた先を思いだしてみればいいと助言したところ、

「思い出せぬ…」とな。

これには、さすがの吾輩も唖然、絶句。

ならばと、携帯の履歴を調べ、

直前に作業していたであろう部屋を探し当て、

無事、篭を引き上げることに成功したのだが…。

あやういところだったのぅ。

これで客人がお入りにでもなったら、

いかんともしがたい状況であった。

肝心な局面で大事なことが抜けてはイカンだろうに。

抜くのは男の方なのだぞ。

まったくもって、甚だ遺憾。

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張り切って１クリ！　
肝心なとこはヌクなよ。
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